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2007年03月15日

赤ちゃんポスト

2006年12月15日、熊本県にある慈恵病院が『赤ちゃんポスト』の設置申請をいたしました。
まぁ、さすがに設置申請され、テレビで取り上げられてから3ヶ月も経ってますから、
皆様もある程度のことはご存知でしょうし、様々な意見もお持ちでしょう。
認可を求められた厚生労働省でも、まだまだ慎重な議論が必要ということで話し合ってるそうです。
ということで、ついにお待たせしました。 別に待ってませんね、はい、すいません。
りょうが的にこのことに言及するなら「ありえねぇよ バカ☆」って感じです。

このご時世、タイヤ一本を捨てるのにも環境を配慮したそれ相当の処分料を払うし、
粗大ゴミとかの処分になったら処分料もさることながら一筆必要なものだってあるってのに、
奇跡ともいえる超々低確率からこの世に生を授けられた赤ちゃんに対して、
産み・産ませの両親が何の義務も罰則も受けることなく、これほど簡単に『処分』が可能だなんて・・・。

ってか、そもそも、人知れずこっそりと赤ちゃんを捨てなきゃならない親って何? 意味がわからん。
たしかに、超極貧でさ、せっかく生まれてきた赤ちゃんなのに粉ミルクを与えることもできず、
段々と命の灯火が弱まって元気がなくなっていくさまを直視できない・・・だから仕方なく・・・。
あるいは、箱入り娘のお嬢さんが、父親にレイプされ気づいた時には妊娠3ヶ月突破で中絶不可に。
誰かに相談することも訴えることもできずに月日は流れてしまい、ついには産んだのだが・・・。
ってな感じの「そりゃあ救ってやんなきゃいかんじゃけんのぉー」的理由ならまだ気持ちはわかるけどさ、
それでも、病院や教会で話せるだけの事情を話してそれから、受け入れを希望するのがだと思うのよ。
簡単ではあるけど、そういう手順で筋を通せるのであれば俺は認めてもいいとは思うんです。
でも、赤ちゃんポストってさ、筋を通すどころか要するにポイ捨てでしょ? そりゃ認めらんねぇよ。

筋を通す必要もなく、お金もかからないし、罪に問われることもない。 ないないずくし。 ビバ日本。
名前は「赤ちゃんポスト」とか言ってるけどさ、根も葉もない言い方をしたら「赤ちゃんゴミ箱」じゃん。
いらないから捨てる・育てるの無理だから捨てる。 そんなことを無条件で合法にしちゃって、
ポスト設置を承認しちゃって、さぁどうぞって、本当にいいことなんでしょうかねぇ。

今のまんまで「赤ちゃんポスト」制度は素晴らしい!とか言って導入・承認しちゃうとさ、
誰が言ったかは忘れたけど「障害があるとわかった時点で捨てられる可能性が高くなる」って言ってた。
有り得るよねぇー、子供がお金もらってガチャガチャしてさ、気に入ったのが出てこなかったら、
その場で「これ、いらなーい」って言って、またお金もらってガチャガチャするようなもんだよね。
現に「アタリ」と思えるものが産まれてくるまで「ハズレ」を捨て続ける親って必ず出てくるでしょ。

まぁ実際、ガチャガチャでの「ハズレ人形」は処刑遊び用に取っておくってことになるから、
それはそれは捨てられるよりも酷い運命を辿るのではありますが・・・。 おっ、話が逸れちった。

そんなこんなで、りょうが的には「無条件受け入れ」の「赤ちゃんポスト」は超反対です。
しかし、この世に生を受けた無垢な存在に条件やら罪やらを負わすのは、それも筋違いなわけで。
だったら、やっぱり『産み・産ませの親』に、しっかりとそこら辺の『落とし前』をさ、
きっちりつけてもらおーってのが筋じゃねぇのかい? あぁん? なんちゃって。

んなこたぁ言ったって、別に無理難題を吹っ掛けて思い留ませるってわけではなくて、
赤ちゃんを手放す前に、必ず病院や教会等で無料相談・面接・カウンセリングを受けてもらって、
それで手放すことが『いたしかたない』と判断・承認された場合に限り許可するってやつよ。
まぁ、せめて親としてそれぐらいは赤ちゃんのためにしてやれるでしょ?ってなことですし、
これができないってんなら、じゃあてめぇの腎臓片っぽでも売って金にしてこいボケって感じがします。
それで、そこから超極貧が要因で手放しを許可された場合には、念のために一筆書いておき、
赤ちゃんを引き取れるまでの生活力アップを3年以内に行えていれば、養育費の無利子リボ払い可で、
自分の手元に赤ちゃんというかすでに成長して子供かもしんねぇけど引き戻すことができるとか、
極貧以外の理由であれば、3年分の養育費差し押さえを条件に手放しを許可してもらえるけど、
3年以内であればいつでも引き戻しが可能だし、その時には差額分もちゃんと戻ってくるって感じ。
とりあえず「3年以内」としたのは、3歳を過ぎると物心がつきすぎて懐かないかもって思ったからっス。

捨てた両親にもせめてこれぐらいの「ゴメンね、でも、ありがとね」的な行為はできるはずかと。
まぁ、実情は知りませんけど、親に捨てられて施設で育つってのも、幸せいっぱいとは思えませんし、
養子に出されても、いつかは自分が血の繋がっていない存在だと知って傷つくだろうしで、
必ず何かしらの十字架を背負わされるわけなのに、それでも手放すってんだから、
その手放す瞬間まで、できるだけの精一杯の愛というか、まぁ現実的には「金」なんだけどさ、
ちゃんとそういうことを準備させるべきだと思うわけですよ。 でなきゃ無責任すぎますですよ。

というわけで、「超極貧である」以外の理由については深く考えていませんが、
りょうが的には、上記のような制度を導入してくれるのであればOKかな?と思っています。

実は、この件を『りょうがの頭の中』の視点から覗いて見るとですねぇ、別の見解もあったんですよ。
それは「保健所に捨てられたけど、殺されずに生かせてもらえる権利ゲットのラッキーなペット」
ってやつです。 どうでしょうか? 酷いでしょ? 笑  でも、マジでそうなんです。

赤ちゃんポスト
幸運にも保健所で「処分」されなかった崖っぷち犬です。

犬や猫・その他諸々のペットは、路上捕獲や持ち込みで保健所に引き取られた後、
3日以内に飼い主が見つからなければ、狂犬病などの疫病予防の観点から『処分』されちゃいますよね。
もちろん、金のかかるお薬での安楽死ではなく、地獄の苦しみ的なガスによる窒息をさせて、
それから先は、生きてようが死んでようがとりあえず焼却炉に落っことしてまとめて焼却処分だとか。

これが人間の赤ちゃんの場合だと、持ち込みで病院に引き取られた後、
養子や保護施設が見つかるまで、病気を罹っていようが身体や知的レベルに障害があろうが、
殺されて処分されることなく、生きていく権利を当たり前のようにいただけるんですから。

別に、赤ちゃんがVIP待遇でいいよなぁってわけではなくて、捨てられたもの同士だとしても、
ペットには生きる権利がなくて、人間には生きる権利がある・・・あぁなんて儚い・・・みたいな。
ちなみにこのペット処分の問題は「ペットブームの陰に・・・4」って検索かければ、良作が見つかりますよ。
てなわけで、赤ちゃんを捨てることと、ペットを捨てることは同一視できると思うし、
だからこそ余計に心が痛んだ気がした、りょうがでございました。


PS:
ちなみに2001年公開の「A.I.」って映画が、この話題にリンクしてて勉強になると思います。
駄作とよく言われてるっぽい作品ですが、りょうが的にはドキュメントとして捉えてました。
人間型ロボットをゴミのポイ捨てと同じ感覚で森に置いて行っちゃう母に、
「ペットも同じような感覚で捨てる人っているよねぇー」と考えさせられた作品ですから。
また、作品に出てくる「家で使われてたロボット」をすべて「家で飼われてたペット」として見たら、
あまりの凄惨さに直視できなくなる場面もありますが、それも現実に存在する光景だと気づいちゃうと、
いたたまれなくなって胸が痛くなる可能性大です。 観てない方は自己責任で是非どうぞ♪


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Posted by りょうが at 00:13│Comments(0)日本の時事問題
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